内科,循環器科,消化器科,皮膚科,理学診療科
〒221-0065 神奈川県横浜市神奈川区白楽100-5
白楽コミュニティープラザ3階
TEL 045-402-5650

 

トップページ»  テレビ電話による地域医療

テレビ電話による地域医療

<病診連携Wの会 記録集 >

平成9年6月3日(火)、午後2時、恩賜財団済生会神奈川県病院と医療法人長樹会杉浦内科クリニックとの間にISDN回線によるテレビ電話が繋がりました。NTTの説明によると、民間の医療機関としては横浜で初めてのことだそうです。設置されたシステムは、NTTの既存の商品である「ピクセンドーR」というテレビ電話と、「フェニックス」というパソコンにテレビカメラを連結した端末を使用するテレビ会議システムです。いずれもリアルタイムでカラー動画を転送することが画期的であり、これまでのFAXやパソコン通信では出来なかったことです。これにより、病院と診療所の相互での、患者さんの診察に際し、遠隔医療による「視診」が加わることになり、より質の高い病診連携が行われる事になります。又、このことは「在宅ケア」に於いて、さらにその有用性が期待されるのは想像に難くありません。
4月11日(金)、私とNTT医療,福祉システム担当スタッフと神奈川区メジカルセンター訪問看護ステーション管理者は訪問診療先の3件に了解をもらい、「在宅ケアの実際」と題したビデオ撮影を行いました。もちろん、テレビ電話を在宅ケアに導入する目的のためです。
1件目は、92歳の女性で、高血圧性脳内出血のために寝たきりになっています。娘と孫2人が交代で介護をしており、左片麻痺があり、嚥下障害のため経管栄養を行っています。構語障害があり会話は殆ど成り立たないが、表情は豊かで積極的にコミュニケーションをとろうとします。指示に従い、自ら四肢を動かし、リハビリに対して意欲的なところを見せます。
2件目は、91歳の女性で、多発性脳梗塞と脳血管性認知症のため往診していたところ、最近急性の視床下出血を発症し、済生会の脳神経外科に入院していました。前回の入院(他病院)時より、排尿障害のため、膀胱内留置カテーテルが装着されています。認知症あり、歩行困難はあるものの、ホームへルパーの介助により、毎日、廊下で歩行訓練をしています。
3件目は、87歳の男性で、前立腺癌の末期で、骨髄転移のため著明な貧血を認めます。往診の他、済生会の泌尿器科に月―回通院し、ホルモン注射を行っています。脱水症状もあるため、週―回往診にて点滴注射を行っています。その際、血液検査を行い、貧血が悪化すると、済生会に3-4日入院して輸血を行うことを繰り返しています。
1件目と2件目のケースでは、テレビ電話により、病院のリハビリ室からの理学療法士による遠隔リハビリ指導が期待されます。又、2件目のケースで、在宅療養中に神経系疾患を発症した時は、テレビ電話を介し、往診医が病院の専門医から適切な指示を受ける事が出来ると思われます。
3件目のケースでは、テレビ電話およびテレビ会議システムにより、病院の専門医と診療所の往診医と在宅の患者(家族)の3者、さらに訪問看護ステーションのナースとの4者間で、リアルタイムの対話がなされれば、患者の安心感は大きなものとなると考えられます。
又、医療法が今後整備されれば、テレビ電話を介しての指示により、ナースが点滴注射等の医療行為も行える様になることが予想されます。(遠隔医療の拡大解釈)
5月22日(木)、私とNTT担当者は神奈川区保健所長を訪問し、撮影したビデオを見て頂きました。行政の診療所に対する監督官庁が保健所であると考えたからです。ここで私達は、行政に対し、在宅ケアにテレビ電話を導入するための理解と、援助を求めました。
画像診断は、テレビ電話の即時性を考えなければ、すでに、いろいろな方法が可能となっています。静止画像であれば、パソコンによりスキヤナやデジタルカメラを使ってレントゲン写真や高画質のカラー画像も送信できるし、病病連携にも、病診連携にも使えます。さらに病診連携では、イントラネットのLANシステムを構築して、中核の病院とサテライトの診療所グループとの間で患者情報の共有化(特に、在宅ケア患者の)を行う事も可能となります。とりわけ、済生会病院を中核とした診療所群とのLANシステムは、私達も早期の実現を希望していますし、又、そのことがテレビ電話の普及のきっかけともなるでしょう。