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運動負荷試験(トレッドミル)

運動時の心血管反応を考えてみましょう。運動強度は酸素摂取量(VO2)であらわされ、酸素摂取量は心拍出量と動静脈酸素較差(A-VO2 difference)の積であらわされます。運動時に到達しうる最高の心拍数を最大心拍数 maximum heat rateは(HRmax)と呼びます。最大小拍数を規定する最大の因子は年齢であり、通常は(220-年齢)であらわされます。運動時の―回心拍出量(心臓が―回収縮したときに全身に送り出す血液量のこと)の増加には.交感神経を介する収縮カ増強の他に、機械的な機序が大きく関与しています。それらは、筋肉のリズミカルな収縮による静脈の圧迫(筋肉ポンプmuscle pump)と、換気の増加に伴う胸腔内圧の低下による静脈還流の増加であり、これによって心室充満は増加し、FRANK-STARLING機序を介しての―回拍出量の増加が行われます。

運動は、動的な運動 dynamic exercise と静的な運動 static exercise に大別されます。動的な運動は等張性運動 isotonic exercise とも呼ばれ、同じ張力で繰り返す律動的な筋肉運動のことをさします。例えば、歩く・泳ぐ・リズム体操をするなどがこれに属します。これに対し、静的運動は等尺性運動 isometric exercise ともよばれ、筋肉の長さを変えずに力を入れる、あるいは筋肉を緊張させる運動です。例えば、重量物を持ち上げる・綱引きをする・外力に対して姿勢を維持するなどの動作が含まれます。
トレッドミル負荷では、負荷量の増加とともに血圧、心拍数、酸素消費量がいずれも直線的に増加するのに対し、等尺性運動では負荷量を増しても心拍数、酸素消費量の増加はわずかであり、これに対して収縮期血圧の上昇が極めて著しいものとなります。

運動を有酸素運動と無酸素運動の2つに分けることがあります。無酸素運動 anaerobic exercise とは、―般に短時間で最大の酸素を消費する運動、例えば100m全カ疾走や重量挙げなどの瞬発的な運動です。短時間に最大の運動を行うために酸素の供給が追いつきません。運動後に残る激しい息づかいとしばらくの間戻らない心悸几進はこの酸素負債の現れです。
これに対し、有酸素運動 anaerobic exercise とは、ジョギングのような中等度の持続的な運動をいいます。筋肉における酸素消費と心肺系による酸素の供給が平衡して定常状態に達しており、筋肉においては有酸素的エネルギー産出が行われ、酸素負債は小さくなります。

心疾患を主とした、生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症)の運動評価にトレッドミル負荷試験が極めて有用であることがお解りいただけたと思います。「トレッドミル負荷試験」とは、ルームランナーと同じく、ベルトの上を10~15分程度歩くことにより、心臓の状態を的確に診断し、運動処方箋を作ることの出来る安全性の高い負荷試験です。フィットネス・スポーツクラブのようにトレーニングが目的ではありません。
処方箋に基づいて適度な運動をすることによって、成人病の予防が可能となる臨床検査です。